SU(2)基本表現の幾何学的解釈

3次元デカルト座標とSU(2)基本表現とを関係付けることで、幾何学的に解釈することができます。

説明


点Pが球面上\((x,y,z)\)にあるとする。このとき点Sを\((0,0,-1)\)とし、原点をOとする。そしてPからxy平面に平行に引いた直線とz軸の交点をQ。またxy平面と直線SPとの交点をP'とする。ここでxy平面を複素平面と見て、点P'の位置を示す複素数を\(\zeta\)とする。直角三角形PQS、P'OSは相似なので
\[\frac{|\vec{PQ}|}{|\vec{QS}|} = \frac{|\vec{P^{\prime}O}|}{|\vec{OS}|}\]
である。\(\rho = \sqrt{x^{2}+y^{2}}\)とすると\(|\vec{OS}| = 1\)なので
\[ \frac{\rho}{1+z} = |\zeta|~~(1)\]
と書ける。\(\vec{OP^{\prime}}\)は\(\vec{QP}\)に平行なので\(\zeta\)は\(x+iy\)に比例する。
\[x + iy = a \zeta\]
比例係数は\(\rho^{2}+z^{2} = 1\)から決まる。
\[
\begin{align*}
&\rho^{2} = (1+z)(1-z)\\
&\rho \frac{\rho}{1+z} = 1-z\\
&a|\zeta|^{2} = 1-z\\
&z = 1 - a|\zeta|^{2}
\end{align*}
\]
zを(1)に代入してaについて解く。
\[
\begin{align*}
&\frac{a|\zeta|}{2-a|\zeta|^{2}} = |\zeta|\\
& a = \frac{2}{1+|\zeta|^{2}}
\end{align*}
\]
aの値を代入して整理すると、
\[x+iy = \frac{2\zeta}{1+|\zeta|^{2}},~~z = \frac{1-|\zeta|^{2}}{1+|\zeta|^{2}}\]
となる。ここで更に\(\boldsymbol{\xi} = (\xi_{1},\xi_{2})\)を\(\zeta = \xi_{2}/\xi_{1}\)として導入すると、これがSU(2)の基本表現になっている。このことはベクトルを回転させたときの、\(\boldsymbol{\xi}\)の変換則から確かめることができる。