紹介: 数学ガールの誕生

どんな本か

数学ガールの著者である、結城浩さんが行った2つの講演が収録されています。
1つは(数学)教育に関すること、もう1つは著者、読者、編集者の関係が主なテーマとなっています。

読んでみた感想

数学ガールの漫画や翻訳、読者による二次創作などが著者の視点から紹介されているので、数学ガール全体で何が起こっているのか知ることができた気分がします。漫画となると、それ自体をぼくは読むことはないし、興味もなかったのですが、漫画についての話は面白く思いました。

多分、数学ガールの漫画か、小説のどれか1つの巻でも読んで面白いと思った人ならば、この本を読んで楽しめると思います。

途中で「化学ガール」とか、「物理ガール」の話題が登場します。特にぼくは物理学を専攻していたこともあって、専門書も読んできたし、大学でも勉強してきたので、物理に対する固定観念が強いんだと思いますが、結城さんの意見には正直、同意できないというか、実現不可能だろうと思いました。客観的には、拒絶反応を起こしているだけかもしれません。

それは、数学の場合にも同じだったかもしれないと思いつつも、数学はどこででも、好き勝手に使われている(例えば、数学なしに物理はできない)ので、やはり性格の違うものなのかなとも思いました。

おまけ

ぼくが作ったwebアプリ「Hello Algorithm」が『数学ガールの誕生』で紹介されているんですよ。これは数学ガール4巻に登場する擬似コードを実行するものなんですが、4巻を読むときに、インプットを変えた時にどうなるかとか、色々と自分で研究するときに便利だと思うので、よかったら使ってみてください。あるいは仕様は4巻にあるんで、言語処理系を作ったこと無い人は、自分でもっとすごい?のを作ってみたら面白いかもしれません。