フィボナッチ数列の公式

元ネタ

数学ガール/乱択アルゴリズム』からです。

ストーリーらしきもの

"ぼく"は、8章を読み終えると、なんとなくパラパラと本をめくってみた。ふと問題7-2(p269)が目にとまる。この問題、今なら一般のn乗について求めれそうだ。ちゃんとした問題のかたちにするとこうだ。

問題8-4

フィボナッチ数列\(f_{n}\)は\(f_{1} = f_{2} = 1\)で\(n \ge 3\)について
\[
\left(
\begin{array}{c}
f_{n}\\
f_{n-1}
\end{array}
\right)
=
\left(
\begin{array}{cc}
1 & 1\\
1 & 0
\end{array}
\right)
\left(
\begin{array}{c}
f_{n-1}\\
f_{n-2}
\end{array}
\right)
\]
が成り立つ。問題8-2(放浪問題:p313)を参考にして\(f_{n}\)の公式を求めなさい。

*以下、各自で続けてください

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最後まで読んでくださりありがとうございます。数学ガール/乱択アルゴリズムに登場する擬似コードの実行環境『Hello Algorithm』を開発しています。よろしくお願いします。

「行列のトレースは固有値の和」の証明が簡単にならないか考えてみた

数学:物理を学び楽しむために(MB120321.pdf)p371の定理6.34の(6.5.12)の左の証明についてです。証明の中で

代入すればすぐにわかるのだが、もっとエレガントなやり方はないかなあ?

と書かれていたのでエレガントか分かりませんが、簡単にならないか考えてみました。ただしオリジナルと異なり、行列A固有値\lambda_{i}~~(i=1,\ldots ,d)は全て互いに異なるとします。

証明したいこと

固有値に縮退の無い行列Aのトレースは \mathrm{Tr} A = \sum_{i=1}^{d}\lambda_{i}である。

証明

固有値に縮退がないので定理6.36から固有ベクトル\vec{v}_{i}~~(i=1,\ldots ,d)は線形独立である。従ってP =(\vec{v}_{1}~~\vec{v}_{2}~~\ldots ~~\vec{v}_{d})は正則であり、逆行列を持つ。A\vec{v}_{i} = \lambda_{i}\vec{v}_{i}なので
AP = P\Lambda,~~<br />
\left(\Lambda\right)_{i,j} = \lambda_{i}\delta_{i,j}
である。左からP^{-1}を掛けるとP^{-1}AP=\Lambdaとも書ける。この関係を使うと\mathrm{Tr}Aは次のように変形できる。
<br />
\mathrm{Tr}A = \mathrm{Tr}\left(PP^{-1}APP^{-1}\right) = \mathrm{Tr}\left(P\Lambda P^{-1}\right)<br />
ここで\mathrm{Tr}(AB) = \mathrm{Tr}(BA)を使うと次のようにして行列のトレースが固有値の和であることが分かる。
<br />
\mathrm{Tr}A = \mathrm{Tr}\left(P^{-1}P\Lambda\right)<br />
             = \mathrm{Tr} \Lambda = \sum_{i=1}^{d}\lambda_{i}<br />

YIELDを廃止しました【Hello Algorithm】

HelloAlgorithmでは実験的にYIELDという関数を使えるようにしていましたが、別に変数モニタリング機能を使う方法があります。変数モニタリング機能はYIELDを使って実装されていましたが、9月19日のアップデートにより使われなくなったため、YIELDは廃止することにしました。


死亡率0.5%の上乗せについて

この記事は『やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識』(rbb20120913.pdf)を読んで、手を動かした記録であって、何かを主張するようなものではありません。

まずp83(4.6 確率的におきる出来事についての考え方)には

赤玉が50 個だったとしても、赤を引いた人数が多めで58 人
だったり、少なめで43 人だったり、いろいろと変わる。大ざっぱに言って、
プラスマイナス10 人くらいの「ばらつき」があるほうが普通なのだ。

と書かれています。「ふーん」と流すこともできますが、せっかくなので手を動かしてみました。
問題設定としては、それぞれ独立に50/200の確率で赤を、それ以外は白を引くということだから、「ゆがんだコイン」の問題と同じです。N個のコインを投げて、表になる確率をpとする。表になるコインの数の期待値はNpで、コインの枚数の2乗の期待値は(N^{2}-N)p^{2}+Np。だから分散の二乗はp(1-p)Nになる。今、p=50/200, N = 200とすると分散は\sqrt{150}/2 = 6.123\ldotsになります。期待値50のあたりを分散の分だけプラスマイナスに値が前後するのでだいたい43人から57人程度ということになります。
次に

たとえば、数万人の
人が同じ「癌の運命のクジ引き」をしたとすると、「赤玉が50 個」の場合と
「赤玉51 個」の場合を区別できるようになる。

について。数万人で区別が付くということなので、思い切って10万人(10^{5})で計算してみます。50人の場合、期待値2.5\times 10^{4}、分散135.1。51人の場合、2.55 \times 10^{4}、分散136.9。50人の場合がいくら多めなったとしても、51人のめいいっぱい少なめに出た場合より小さくなります。いい加減な検証ですが、確かに10万人ともなると、0.5%の上乗せが目に見えてくるということです(例えば1000人程度だとどうなるでしょうか。確かめてみてください)。

【アップデート】Hello Algorithm 2012-09-19

注意)webサイトを訪れたあと、再読み込みしないとアップデートが有効にならないことがあります。
url: http://helloalgorithm-nnabeyang.dotcloud.com/

放射線の基礎知識を新たな常識にしよう

理論物理学者の田崎さんが書いた『やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識』がいよいよ紙の本になるようです(公式アマゾン)。出版後もpdfで無料ダウンロードできるそうです。

この本はどんな本かと言うと、新しい「常識の基盤」を築くことにあると思います。ぼくが言ってもあれなんで、本文(rbb20120913)p5から引用します。

事故からはすでに1 年以上がた経った。しかし、放射線との付き合い、あるい
は「たたか闘い」は、まだまだ始まったばかりだ。これから先の長い年月、ぼくたち
は「やっかいな放射線」としっかり向き合いながら暮らしていかなくてはいけ
ないのだ。そのためには、みんなの「常識の基盤」を広げて、放射線に関わる
ことがら事柄もカバーできるようにする必要があると思う。

皆さんも放射性セシウム半減期が長くて、相当な未来まで、放射線によって汚染されそうだと思ったと思います。ぼくも思いました。放射性セシウムからの放射線が10分の1になるのは40年以上先なんだそうです。また、地面にあるセシウムは、土壌の粒子の表面に強くくっついていて、水にもほとんど溶け出さないので、土といっしょに動くだけでほとんど移動することはないそうです。

気になる人は、是非読んでみると良いと思います。この本では、応用として土壌や食品の汚染によるリスクの考え方についても扱っています。対象読者は中学生以上なので、そういった意味では気軽に読めると思います。

数学ガールの著者、結城さんからのクイズ

結城さんに許可を得たわけではないですが、twitterからこの本に関連するクイズを引用します。漠然と読んでいたら、うっかり抜けそうな部分ですが、暗記しても損は無い数字に関するクイズだと思います(物事が感覚で分かるということは、その大きさ、規模がだいたい頭に入っている状態にあると思います。例えば、階段の段の高さがどれくらいか、だいたい分かるから、階段を上るとき、どれくらい大変そうか想像できます。)。



Rubyの実行箇所がキラキラする


ニコニコ動画なんで、会員しか見れないと思いますが、これはすごいですね。特にキラキラするところがすごいです。どうやってやっているのか全く分かりません。